ギター考察
無視できない弦のテンションで変わる演奏性について
私はクラシックギターとフルアコ、エレキを弾き分けていますが総じて強めのテンションの弦を好みます。クラシックならハイテンション、エレキなら11〜49のゲージ、フルアコなら12〜52(PL012 PL016 NW024 NW032 NW042 NW052)ぐらいです。まぁフルアコはこのゲージでもライトゲージなのですが、普通のエレキをメインで弾いていたギタリストからしたらヘビーゲージです。
一般的にテンションが強い弦はピッキングがやりやすくなりフィンガリングがやりにくくなると言われています。私的には一概にフィンガリングがやりにくくなるとは思えないので強いテンションの弦の良いところを中心に語ってみようかと思います。
強テンション弦のフィンガリング
強テンション弦は他の弦に比べて押弦に力が必要なので押弦しにくいと言われています。実際柔らかい弦から強テンション弦に変えた時の感覚の変化は相当なものです。
でも強テンション弦の押弦にもメリットはちゃんとあります!・・・・・少なくとも私はそう感じています!私が強テンション弦を好んで使うのはそのメリットが大きいと考えているからなんです。
複雑な和音が押さえやすい
これどうやって押さえるの!って言うような複雑な和音は強テンション弦の方が押弦しやすいです。複雑な和音はえげつないストレッチになることが多くて十分に力を抜いているつもりでも、指を広げる力も相まって押弦に力が入ってしまいます。
弱テンションで押弦に力が掛かり過ぎると音程が狂っていまいます。どんだけ力入れてんだよって思われるかも知れませんが、ストレッチと脱力を両立するのはなかなか至難の技なのです。しかし強テンションならある程度大丈夫です!
逆に強テンションで音程が狂ってしまうような押弦は流石に力入れ過ぎなので改善の指標になったりもします。
弦落ちしにくい
強テンションは弦落ちしにくいです!フィンガリングもそうですがジャガータイプのブリッジのコマからも落ちにくくなります。弦落ちも脱力できれば起こらない問題かもしれませんがシビアなセッティングのギターもありますので地味にこのアドバンテージは大きいです。
運指のコントロールが良くなる
強テンション弦はピッキングやフィンガリングでの弦のたわみが少ないので運指のコントロールが良くなります。
響をクリアにしやすい
コントロールが良くなった結果、キレイに鳴るポイントを押弦しやすくなり、音がクリアになります。
他の弦に干渉しにくくなる
たわみが減るので押弦した指が他の弦に干渉しにくくなります。この事も響をクリアにする材料です。
持ち替えが楽になる
強テンション弦で普段から慣れているとギターの持ち替えの違和感が減ります。特にエレキのハイテクギターなんかはフィンガリングが驚くほどやりやすいのでそれにライトゲージを張っていると持ち替えの違和感がかなりのものです。でも強テンション弦を張っているとその辺りもかなり軽減できます。
私は普段はアコギは弾きませんがアコギに持ち替えてもそんなに違和感はありません。
スライドが上手くなる
これはちょっと強引かもしれませんが強テンション弦になれるとスライドがうまくなります!なぜかというとチョーキングがやりにくいから代替え案としてスライドを多用することになるからです!特にフルアコなんかはチョーキングをもともとやる想定ではないギターですし・・・・・まぁ私はロックばたけで育ったのでアドリブを取るとその辺りを含めフレーズが構成されてしまいますので、チョーキングの代わりにスライドってパターンが多くなってスライドがちょっと上達しました!
強テンション弦のピッキング
強テンション弦はピック弾きも指弾きもピッキングがやりやすくなります。ピッキング時の弦のたわみが少ないからです。ピッキングがやりやすくなるメリットはすごく大きいので最初の頃はフィンガリングにはデメリットしかないけどピッキングが楽になるから・・・・と言った理由で強テンションにしていたぐらいです。
まとめ
強テンション弦のいいところばっかり語ってきましたが、やっぱりテンションが強いとなれるまではフィンガリングはやりにくかったです。ピッキングは最初からやりやすかったです!しかしプレイスタイルが広がっていくにつれ、フィンガリングにも強テンションのメリットを感じるようになり今ではすっかり強テンション派になりました。
音色も強テンションならではのものになるので、ジャンルやプレイスタイルとの相談にもなると思います。強テンションには強テンションの魅力がありますが、ベストプラクティスはその時々で変わると考えた方がいいと思います。